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2017年02月03日 『象は忘れない』



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2016年2月に出版された 柳 広司 氏 の小説。
あの原発事故によって、人生を狂わされた人々を描いた作品です。

原発立地の町で生まれ育ち原発の作業員をしている男性とよそ者の彼女の話。
助けられたかもしれない命を見捨てて避難せざるを得なかった青年団員の話。
漁師の夫を地元に残し、子供と二人で東京に避難した女性の話。
地震と津波被害の救助・救援に派遣されたてきたアメリカ海軍曹長の話。
賠償金が出る出ないで次第に引き裂かれていく同級生仲間の話。

という、5つの物語で構成されています。

フィクションという形で書かれてはいますが・・・
事故当初から1,2年後までの、被災者と被災者を取り巻く状況の
レポートかと思えるほど、当時の現実がそのままリアルに描き出されています。



今年の3月で、あれから丸6年。
全国的にはもとより、地元福島でも、当時起こった数々の出来事、
翻弄された人々の気持ち、国や東電の対応、県外の人々の反応・・・・などなど
事故当初の詳細は徐々に忘れられていっているのではないかという気がしています。

私は、今またこの本を読み返してみて 「あぁ、そうだった、そうだった、そんなこともあった」 と
忘れていた当時の記憶が甦ってきて、胸が締め付けられる思いになるのです。
福島で生活していても、あの頃のことを少しずつ忘れていっている自分に
唖然としてしまいます。
関西に戻ったら、もっと忘却の足が早まってしまいそうで怖くなります。

福島で、あの原発事故を経験した者として
決して忘れることなく、伝え残していくことが責務だと思っています。
いつまでも忘れることの無いよう
毎年3・11の前に、この本を、読み返そうと思います。

例え、人々が忘れ去ってしまったとしても
あの原発事故のことは 決して “なかったことにはならない” のです。
 


   この本の題名 『象は忘れない』 は
   英語の諺  「An elephant never forgets
   象は非常に記憶力がよく自分の身に起きたことは決して忘れない」
   に由来するそうです。







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